アニメ『リコリス・リコイル』最終回感想 リコリコは令和のルパン三世

自重せず書きます。いろいろな人に怒られそうな気がします。

思ったことを正直に表現するとそうなります。

普段は避けてることもやってみます。

ネタバレもします。

そういうことをしたくなった。

つまり、すげー面白かったってこと。

そして、すげー面白かったんで見た直後に感想を書きたくなりました。

 

 

以下、いちいち書くとうざいので先にまとめて書いておきますすべて俺の主観です。違う主観を持つ人がいることは重々承知です。

最終回、一番注目していたのはきれいに終わるかそうでないかです。

見終わって、きれいに終わらなかった、と感じました。

 

すべての謎や問題が解決したわけではないです。問題を抱えたまま、事件を経験した登場人物たちは新しい日常を生き始めるというエンディングだなと感じました。

ということは、その新しい日常で、新しい物語を描くこともまた可能ということです。

 

最近のアニメはラストまで作られてから放送されることが多いという話で、視聴者の反応を見て展開を変えるということは起こりづらくなっていると想定しています。

ラストがハワイで喫茶リコリコってことは最初から千束をはじめとするリコリコメンバーは殺すつもりは無かったんだなと思ってます。

ファンからは反感買いそうな表現ですけど、1話見た時に千束には「病的な明るさ」を感じたんですよね。言い方を変えると病的に明るい女の子を声優さんが演じてアニメーターさんが絵にしているなと感じました。

話の題材が題材なんで、なんとなくなんですけど、そういうキャラクターはこのアニメにおいては何らかの影があるんじゃないかと予想していて、もしかすると2番煎じになっても物語の早い段階で殺されたりするのかなとも思ってましたが、そうではなくて自分の死期を意識しているという展開でした。

他の人にとっては長い人生の中での一瞬のできごとであっても、千束にとっては人生の大きな部分を占めるできごとになるということなんだな、だから楽しくすごして他の人に喜んでもらいたいと思ってるんだなと、納得しました。

 

途中から登場しメインキャラの一人になる真島。最後までつかみどころがない敵役というのも珍しい。

彼はゲームを楽しんでたんだなとは思います。彼のゲームの中で他の人が死んでもかまわないという倫理観の上でゲームを楽しんでた。

だから、延空木を実際に爆破する必要すらなかった。ゲームが楽しめればいい。

千束との勝負が楽しめればいい。だから千束の調子が悪ければ休憩して回復するのを待った。本来の姿ではない相手に勝ってもゲームが面白くないから。

最初に書いたきれいに終わらなかったという感想、真島はこの後もなにかをやらかすんでしょうね。

続編があるとしても千束と真島の対立軸は変わらないんでしょうかね。

 

そして、ここまで言及していなかったもう一人のメインキャラ、たきな。

彼女はこの物語においてはそこまでの役割は与えられていなかったんじゃないかなと……。ファンにはめっちゃ怒られそうだな。

たきながいなければ千束は死んでいた。それは間違いない。しかし、ここまで書いた千束の命の話と、千束と真島の対決の話という流れの中ではサブキャラに甘んじてると俺は思ってます。

ってことは、逆に、今後続編ができるとしたら、たきなを掘り下げた話は作りやすくなります。京都から転属してきたと最初に言ってましたが京都時代の話は全く出てこなかったと記憶しています。京都時代の因縁が影を落とす事件と真島が絡み合って、真島がたきなのことをゲームの相手として認識するというような展開も可能になってます。

 

きれいに終わらなかったことはファンにとって悪いことじゃないと思うんですよね。きれいに終わったら続きは作りづらい。きれいに終わらなければ話を膨らませることができる。この作品は後者を選びました。

 

続いて、年齢不詳のくるみを含めたリコリコ大人組。

なんというか……ミカが「父親」としてほんらいは千束がするべきことを代行したということなのか……。この展開はちょっと切なかった。

2人の子供という意識を持っていたのに親の一人がもう一人の親を殺す、殺さないと子供が助からない、うーん、ちょっと整理つかんな、ここは。

ミカとよしさんはお互いに相手を信頼し愛し合ってたけれど、「子供」に対する愛の注ぎ方はそれぞれ違ってて、どうしても乗り越えられない壁があったってことなのか。

この要素は今の時代に合わせたという配慮もあるかもしれないけれど、通常の異性同士のカップルで子供ができなくてというよりも説得力あるようには感じてます。

ミズキとクルミは困ったときに頼れる相棒、かつコメディパートを演じて作品が単調になるのを防いでくれていると感じていました。

 

もう1つ、リコリス、DA、リリベルといった設定について。

これはまじできれいに説明つけて終わらなかったですね。残り1話の時点であの状態だったんで無理だろうなとは思ったんですが、投げっぱなしで終わった感がすごい。

もちろん設定はあるんでしょうけど今後いかようにも転がせそう。

リコリスと言えば、パスポートを持っていないと言ってた千束やたきながハワイに出国できた理由も説明されてない。

そういうところが今後の展開を考えてるんじゃないかと予感させます。

 

そういえば外れた予想もありますね。

俺ね、刑事の阿部さんが意外と重要な役回りを演じるんじゃないかと予想してたんですよ。なぜか小説版でキャラ説明が無かったし。

少なくとも1期(って書いちゃったよ)最終回までは、「一般的な警察官」でした。さぼりぐせはあるけど。彼の行動を見てるとそのさぼりにも何か裏があって……って思っちゃいます。

ここも膨らませようとすれば膨らませられるけど俺の考えすぎかなぁ。

最初はリコリコ常連メンバーがピンチに陥った千束やたきなを助けるという展開になるのかななどとも思ってましたね。

 

 

ハワイでの様子を見ても、リコリコメンバーが「このあとは幸せに暮らしましたとさ」にはならない予感でいっぱいです。

アニメ2期という形になるのか劇場版とかその他の展開になるのかはわからないですが、たぶん続きは作るだろうなと思います。

絵もきれいだったし次も凝った展開にしないとならないだろうし時間かかるだろうなぁ。

 

もう一つついでに。

着せ恋にドはまりした要因の一つにオープニングがあったんですが、リコリコの場合はエンディングですね。

エンディングがめっちゃはまってた。よくぞこの曲にしたなって思いました。

最後の場面からシームレスにつながる演出にめっちゃ合ってました。

最終回は1話からの振り返りになるんだろうなと思ってましたがわかっててもよかったです。

念のため言っていくと、着せ恋エンディング、リコリコオープニングもダメっていうわけじゃなくてすごく印象に残ったのがリコリコのエンディングだったってことです。

 

ここまでで終わればきれいな感想文かもしれないんですが、まぁ十分きたないですけど、最後に余計な感想も書きます。

インタビューとかで作り手が「シティーハンター」を意識したとおっしゃってました。シティーハンター、体系的には見て無いし漫画も歯抜けで読んでるだけなんですけど確かにそういう雰囲気はありました。

しかし、俺の主観ではもっと古典的なアニメととても似ているなと感じています。そのアニメも体系的には見てないアニメです。

 

ルパン三世

 

テレビに映ってるとうっかり見ちゃうんです。時間を奪われてるんです。恐ろしいことに子供のころから高齢者になってる今までそれは変わらないんです。

なんというか、鉄板で面白い冒険活劇なんですよね。

リコリコは女の子がたくさんでてるルパン三世

たきなが地味に感じたのも千束がルパンだとしたらたきなが次元ポジションにいると考えると納得が行きます。あくまでも主人公の相棒だけどいないと物足りないしいないと主人公が死んじゃう局面もある。

ミカを除くリコリコメンバーは五右衛門とか峰不二子みたいなポジション。ただ、峰不二子のような複雑なキャラはリコリコには出て来てないですね。峰不二子が協力的な場合の、ということでご理解ください。例としては悪いけどカリオストロの城みたいなやつ。

そう考えると面白いことに真島は銭形になりますw。そっか。その役回りにロボ太も足すとなんか理解できるかも。

 

雑魚キャラモブキャラは簡単に殺されるのに主要キャラはどんなピンチになっても死なないとか、ありえない力や能力を持っていたりありえない道具を持っていたりなんていうのもね。ミズキ平気でヘリ飛ばしてたもんな。

説明すっ飛ばしてたきながシャッター蹴破るとか。面白くてスカッとすればそれでいいみたいな割り切り方。

ルパン三世的だなぁと感じてます。

リコリコにしか無い要素はそれ以外のリコリス、DA、リリベルといったいちおうの「協力的組織」の存在、さらに1期では重要だったのはミカと吉松、さらにそこに姫蒲も加えてもいい、千束を導く大人たちですね。特に大人たちは今後ミカ以外は描かれないかもしれないのでいろいろと妄想交じりの感想が渦巻きます。

 

この作品、あんまり理屈で考えると楽しめないタイプなんだろうと思います。

前に着せ恋でやったような場所とか移動方法の特定みたいなことをやると笑える結果になります。聖地巡礼東京スカイツリー(業平橋)から北千住まで特急に乗るのが流行ったら東武うはうはだぞとか、小菅の入り口の脇を抜けて海の近くまで行くには、上平井橋とか江戸川競艇場とかいろいろ障害があってなとか土地勘があるだけにもう考察的なことをするんじゃなくてフィクションとして楽しむしかない割り切ることができました。

 

とはいえ、俺がこの作品を見ようと思ったきっかけは、舞台が東京下町だったからに他なりません。別の場所が舞台だったら1話見て無かったかもしれません。

故郷に近いエリアだし、友だちが住んでたり働いてたり遊びに行ったり飲みに行ったりするエリアだし。あの七夕祭りのモデルはもしかすると俺も通ったあそこかなぁなどと妄想できたりもしました。

そういう意味ではリコリコのことも本来の趣味であるそっち系の目で知らず知らずのうちに見てたのかなぁと思います。

 

〆。

 

2期、楽しみに待ってます!