俺の故郷はダンジョンだった

ラノベみたいなタイトルを付けてみました。話は長くなります。

 

 

在宅勤務が続き、それが解消される気配はなく逆に当面の間は強化される流れになっています。年末年始も近づいてきた。家にいる時間がものすごく長くて、なんかつまむものが欲しくなることも多くてスナック菓子とかをスーパーやコンビニで買って常備していますが、先週後半に急にせんべいが食いたくなってしまいました。

友だちにも言われますがせんべいなんてそれこそスーパーやコンビニで買えばいいだろうって話なんですが、俺の食べたくなったせんべいはそういうのじゃなくて、生まれ育った故郷の店のせんべいなんです。その店がまだ健在な間は買えるわけなんで、そこまで行って買ってきたくなるわけですよ。

 

誤解を招かないように書きますが、お店には失礼なんですけど、そのせんべい、テレビとか雑誌とかネットで絶賛されて行列ができるようなしろものではありません。たぶん。そういう話は聞いたことがない。俺が聞いたことないだけなのかもしれないけど。

 

もしかすると他の人にとっては高いだけで口には合わないせんべいなのかもしれない。高いって書きましたが相対的な話で、俺が子供の頃は相対的に安かったけど平成令和の時代では相対的に高いってことです。1枚何百円もするような高さではないです。

 

東京に出る用事があって、土休券を使うか、北千住で降りて24時間券買うか考えたとき、そうだ、24時間券なら余った時間で買いに行けるじゃないかと思いついて階に行きました。ええ、私は都内での行動はメトロで済ませたがるメトロ脳です。他の交通手段がなかなか思い浮かばない。長年の生活で染み込んでしまった。

 

んで、買いに行ったわけです。日が落ちるのが早くてもう夜でした。真っ暗です。店はちゃんとやっていて首尾よくせんべいを入手しました。

そこで時計をみるとまだまだ時間があるので、子供の頃の思い出に浸ってみるのも悪くないなと思って店がある大きな道から裏にひょいっと入ってみて、通ってた学校や遊んでた公園に行ってみようかと思ったんです。

 

そしたら、そこはダンジョンでした。

 

広い道って書きましたが、その地域での広い道の概念は車1台が余裕で通れるという程度です。車がすれ違えるような大通りは極めて少ないです。

ぎりぎり車1台通れるような道や、車が通れないような道の方が多数を占めています。

さらに、どういうわけか直線道路がほぼ存在しません。すべての道が曲がっています。両側はびっしり家が立て込んでて、家と家の間に見落としてしまうような路地があったりもします。それらの路地の中にはイメージ通りの袋小路もあれば通り抜けられる道もあります。

大通りから最初のカーブを過ぎたところで方向感覚を失いました。たぶんこっちだと思うんだけど……、なんかこの曲がり具合覚えがあるような気がする、なんていうあやふやな記憶だけで進んでいって、ようやく通ってた学校らしきところに到達したときにはうれしかったね。

ものの1分2分程度なんですけど冒険感がすごかったです。

こういうこと言っちゃあれですが、いわゆる治安がいいところではないので。俺のイメージでは治安が悪いとか揶揄されることもある松戸がとっても安全な街だと思える程度のところです。今は住民が入れ替わってるだろうからいいのかもしれないけど。

 

ちょっとしたダンジョン探索を終えて駅に戻って電車に乗ってからふと気が付きました。

人口密度は高いのでそんな狭い道でも歩いている人は多いんですが、地元や、職場近辺ではよく見かけるスマホを見ながら歩いてる人っていなかったなぁって。

スマホ見ながら歩いてたらすぐに何かにぶつかっちゃうからなんだろうな。そういうマナーって本当はマナーじゃなくて身を守る知恵なんじゃないかと思ってたけど実際そうなのかもしれない。

 

帰ってきてからGoogleで航空写真を見ると、とてもダンジョンには見えない街です。やっぱり実際に行ってみないとわからないもんだよね。

俺、たぶん夜スマホなしだと昔住んでたところに到達できない気がする。