コロナ相場で大もうけしたヘッジファンド

があるはず。

 

おそらくもうしばらくするとこんなタイトルで批判的なことが書かれるような気がするので先回りして書いておこうと思いました。

そういうことを書く人は実態としてのヘッジファンドのことがわかってない人だということはわかります。

この局面でも利益を出すのが本来のヘッジファンドです。

 

とまぁ、書き出してはみたものの、もう時効だろうなぁとは思いはするけれど業務で得た知識なのでどこまでかいていいのやらということで歯切れが悪くなるのはしょうがないです。って前もこの手のネタを書いたときにそう書いたような気もしてきた。

 

ヘッジファンドっていうのは投資の世界ではアルファの獲得を目指すファンドという定義とのこと。

アルファとは何か?それは様々な金融指標には左右されず、市場の上下にも左右されず安定した一定の利益のこと。それに対するベータは金融指標や市場の上下に連動する利益のこと。

ちょっと前まで続いた株価の上昇局面で、ヘッジファンドが利益が上げられず苦戦みたいなことが書かれてましたが、苦戦じゃなくてうまくやってるってことなんですよね。

投資を引き上げられたみたいなことも書かれたけどもし投資を引き上げる投資家がいたらそれはど素人ということになります。

投資家は当然ベータに連動する投資先にも多額の投資をしています。しかし今のような局面に前触れなくなってしまうことがある。そういうときにアルファの獲得を目指しているヘッジファンドにも投資をしていると本当の意味でヘッジができるということになります。

損はするけどそのボリュームを小さくできるってことですね。

 

ヘッジファンドはそれぞれの戦略でアルファの獲得を目指しています。その中には今回のような急激な市場情勢の悪化が起こった場合に莫大な利益を得られるような投資を行っているところもきっとあるでしょう。

そういうところはよく知らない人から叩かれるだろうけど叩かれても痛くもかゆくもないと思います。

ところで、それじゃそれじゃ今回利益を上げたところは普段から利益を上げている、つまりアルファを積み重ねているのかという話になりますよね。

えーっと。。。

たぶん普段は残念な運用成績でしょう。投資家からしたら預けた資産がどんどんどんどん減っていく投資先になってると思います。

しかしそれでもそういうところにお金を預ける投資家がいることはここまで書いた内容でご理解いただけるものと思います。

でもね、損をし続けるのってつらいらしくてね、利益が出る前にやめちゃうところもあるらしいんですよね。

投資家は怒るんじゃないかって?実はそうでもない。

なぜならそういうところへの投資は投資家からするとごくごく一部だから。

一般庶民的な感覚に置き換えると、一万円のお金があるとして、そのうち5000円は無難に銀行に預け、4500円くらいはベータに連動するような投資をして、残った500円をいろいろなヘッジファンドに分散して投資する。その中で10円預けてるヘッジファンドが倒れてもそれほど痛くはない。ところが、4500円を投資したベータ連動が崩壊し、ヘッジファンドの多くも甚大な打撃を受けているのに10円預けてたところが500円に大化けすれば全体としての損は縮小されることになります。

そっか、ヘッジファンドがアルファを追求しているというより、投資家がアルファを追求するためにヘッジファンドがあると考えた方がわかりやすいんだなと今気づきました。

 

とにかく、残念ながら大もうけとかいう威勢のいい話を聞くことはあってもいつでもどこでも誰とでも必ずもうけている人は残念ながらいないんじゃないかっていうのが、システム屋として投資の業界を少し覗いたことがある俺の感想です。

それにあの仕事きっついし。うちの業界よりきついかも。給料もいいけどさ。