通販嫌いでも通販を選ぶこともある

通販嫌いなんですよ。ええ。贅沢だってことはわかってます。それでもきらい。

通販を嫌えるってことはものすごく贅沢なんですよね。よく考えてみると本当にそう。

いろいろな指標で世界最大の都市とされ、おそらく世界でも指折りの「なんでも実店舗で買える」都市の近くに住んでるからそんな贅沢なことが言えるんです。

 

世界最大の都市とはいうまでもなく東京のことです。

 

Amazonが死に筋の本をロングテールという名の下に販売するという戦略をとっていますが、重くてかさばるという通販向けの商品であるにもかかわらず、東京の神田神保町には下手をするとAmazonロングテールですら取りこぼすような本や、絶版になって久しいけれど欲しい人は必ずいるような本を売っていることもあります。

雑誌のバックナンバーなんかはいい例で、ある分野を専門的に扱ってる店には10年単位でのバックナンバーがそろっていて、歯抜けになっているところは出版社にも在庫がない状態というのはよくある話です。

自分の分野だと地図だってかつてはそうでした。そっちの人なら誰でも知ってる有名な店に買いに行ったら「元切れ」宣告を受けたことがあります。元切れ=国土地理院にも在庫がないってことですね。そういう地図をほしがる人がどのくらいいるのかってのもありますし、地図だったら今は電子化されているので困ることはないですがやっぱり紙でほしい局面もあったりするかもしれないです。

 

自分で手にとって買いたい。手にとって迷うのが楽しい。人間にはそういう欲望がやっぱりあるんだろうなと思います。ネット通販でも同じで迷ってる間が楽しい。発注するまでが楽しい。発注すると買い物の楽しさは終わってしまいます。もちろん買ったものを実際に手に入れた後さらに大きい楽しみがやってくることもありますが。

話はそれるけど実店舗であれやこれや楽しみながら迷ったあげくに購入したのにあとでがっかりすることもあります。ネット通販でものを見ないで買うとそういうリスクが増大することはあると思いますが元々リスクがないところでリスクが発生するわけでもないのでそこは嫌いな理由にはならないですね。

自分でも明確な理由には思い至ってないのですが、通販が嫌いなのは自分で見つけたという感覚が希薄なところなんだろうなと想像しています。いろいろな店を回ってこれにするかあれにするかそれともあれにするか、いざ決めたら在庫がなくて在庫を抱えていそうな店を歩き回る。ストレスにもなりますが楽しみでもあります。

もちろんネットでも同じような状況になりますが、私の場合はそのときの焦燥感がまるで違います。ここなら絶対あるはず!と確信して入った店で在庫切れを宣告されたときのがっかり感はまじでたまらないです。めっちゃあせります。もう二度と手に入らないのではないかと思い詰めることもあります。そのあたりは私がオタクだからなんでしょうけど。

 

最近では、今までそれこそ実店舗が強いといわれていたファッション分野でもネット通販が当たり前になってきています。

自分で着用してから購入したいという欲望が強い。さらにあれやこれやと試着するのが実は楽しくてたまらないという思い込みが崩れています。

通販嫌いなんで当然自分が身につけるものは自分で選んで買いたいと思いますが、下着とか一般的なものじゃなくてもネットで買う人が増えてるってことですもんね。雑誌に出てるのと同じのがほしいみたいな需要はもともとあったんでしょうが。

 

何で突然こんなことを書き始めたかというと、今日、とっても珍しく通販でポチったからです。

何を買ったかというとスキー板。

東京近辺に住んでいるのでスキー板を買うなら電車で一本の新茶で降りて小川町が当たり前なのですが、選ぶのはいいけれど持ち帰りが電車だと面倒。車で行ってもいいけど時間がかかるしその日は夜飲めないし…。近所の店に行くとやっぱり神田小川町と比較してしまいます。店の数が全然違うので大型店であっても在庫の種類数が全然違う。

ああでもないこうでもないで数日つぶせますね。

東京近辺に住んでないとできないとっても贅沢な遊びだと思います。

さすがに靴は合う合わないが怖いので実店舗で買います。板はそうじゃない。板なら通販でも…。というわけで買ってしまいました。

実店舗より高いとか安い以上に家まで運んでくれることを選んだってことです。

 

ものが来るのは楽しみだけどそもそも今シーズンは雪山にいけるんだろうか?