コロナワクチン接種状況をマーケティング的に考察してみたりして

小うるさい人には怒られてマーケティングに詳しい人には嘲笑されるシステム屋の素人分析です。

マーケ関連のシステムを長くやってたんで門前の小僧状態だし面白いなぁとは思ってはいるんですよ。

多くの人にワクチンを打たせたい人たちの観点からの分析です。

 

 

まず、ワクチンの打ち始めまで。

遅かったですよね。諸外国と比較されて非難されたりして。

俺はもう2021年内無理って思ってましたよ。

これは意図的じゃないとはおもんですが、結果的には飢餓感を煽るマーケティング施策にはなったんじゃないかと思っています。

そのあと高齢者や高リスク層の接種が始まりました。

 

最初の意図的なマーケティング的施策として設定されたのは大手町で自衛隊が運営する接種センターだと思います。

しかし、それはマーケティング的には失敗。

ネットとかでは高齢者が何時間も待たされて具合の悪くなる人が続出するみたいな批判的な意見もあったりしたけど実際は逆に接種に来る人が予想よりも少ないという状況。

なんだ、ワクチン慌てて打たなくてもたくさんあるんじゃないか?必要な人は打ててるんじゃないか?っていう印象を持った人も多いんじゃないでしょうか。

なにを隠そう俺もそう。

最初の対象設定を見誤ったってことでしょう。そのあと対象範囲を広げたらいい感じで数がはけるようになったみたいんなので接種会場としての機能は十分果たしたと思います。

おそらく、高齢者はかかりつけの医者もいる人が多いし自治体などのサポートも手厚いし、介護施設にお世話になっている人も相当数いるから、打ちたい人はちょっと待てば打てるっていう安心感があってそういう一般的なセンターに行く必要はないと判断した人がかなり多かったんじゃないかと思います。

一般的なビジネスでもよくある話です。

その後も各地で大規模接種センターが開設されましたけど、人が殺到して混乱という話はついぞ聞かなかったので日本全国どこでも同じような状況だったんじゃないでしょうか。

 

マーケティング的な施策かと言われると微妙なのですが、次の重要な施策は職域接種ですね。

ワクチン推進派から見ると、これはかなり効いたと思いますねぇ。

やっぱり日本の人たちって必要以上に真面目なんですよ。自治体の接種に申し込むにしても、その前に休みの調整をしてとか、今の時代は表に出ると怒られるだろうけど「ワクチン打つんで休みます」と言ったら上司に嫌味を言われるとかも現実としてはあると思うんですよね。

そういうハードルを下げるという意味で大きかったし、なにより予約が社内でできるというのはものすごい利便性です。

当初は1000人以上の大企業限定かと思っていたんですが、実際にはいろいろな企業の相乗りでもやってます。高齢者接種が終わらず順番が回ってこない20代から40代の世代で、大都市圏で働いている人はこれでかなりはけたでしょう。

ただ、問題点もあって、まさに俺はその問題点の一人なんですが、職域接種ってけっこういきなりだったんですよ。会社側も枠を確保できるって話になったらとりあえず細かいことはわからなくても確保して、そういう情報を社員に伝えられない状況で接種意向を見極めることになります。その時点では態度を表明できない人もいます。そこまで読んで枠を確保することになります。

社員側も住む地域によっては、ちょうど自治体の接種予約タイミングとかぶって、接種したいと思っている人はどっちで受けるか迷うっていうことになります。

そうなると、まぁあれなんですが、出張慣れするとやっちゃうビジネスホテルの予約と同じことをしますね。空いてるところをとりあえず確保して不要になったらキャンセル……。

職域接種でキャンセルされた自治体枠が無駄になるということは十分起こりえるし実際起こってるんじゃないかと思います。俺のキャンセルした枠はちゃんと使われたんだろうか……。予約システムではわからなかったぜ。

 

そしてその次の施策が今話題の若者接種センター。

これはね、マーケティング的には大成功でしょう。行列ですよ、行列。だいたい1日200回って少なすぎますよ。限定品商法ですよ、これ。飢餓感を煽られますね。

街の声では若者は接種意欲が低いみたいな雰囲気になってたけど実際には並んでまで打ちたいと思っていた人がたくさんいたということですね。ここまでだと批判を浴びるだろうけど、本当は大手町開設の時にこういう状況を演出したかったんじゃないかなぁ。

打った人はわかると思うけど、今回の1日200回っていうのは本当に少なくて、俺が行ったそんなに大規模じゃない職域接種でもたぶん1時間に控えめに見積もって120人くらいに接種してるんですよ。8時間稼働したら960人ですからね。もっと大規模な会場ならもっと数をはけさせることはできるでしょうね。

ワクチンの玉数が確保できなかったってことなんですかね?前述のとおり東京は職域でかなりはけたから自治体分は当初見積もりよりも少なく済んでるところも多いと思うんですけれどねぇ。

それはともかくとして、こういうのを見ると、打ちたい若者は焦りを感じて打てるチャンスがあれば食いつくという状態になるかもしれません。そして、そういう状態になったときに、容易に予約して打てる状況なら一気に接種数は加速します。

去年のマスクですよ。ないない!って大騒ぎしているときに店に出すと飛ぶように売れていくじゃないですか。普段はやっすい値段で山積みされているのに買わなかった人が買っていく。

 

コロナワクチン【NHK特設サイト】接種率の状況など最新ニュース

日本全体の2回目接種はもうすぐ50%を越えるでしょう。ニュースで言われているようにおよそ20%がご自身の判断で接種を見送っているとしたら、接種したいという人の半分はもう接種を終えていることになります。

もしかすると年内には接種希望者全員への2回接種できちゃうかもしれませんね。