都心にあるオフィスビルの買い手はいるのかという素朴な疑問

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これ以外にもエイベックスが青山のビルを売るとかそういう話がちょこちょこでてますが、売りに出しても買い手がいなければお金にはならないわけで、上記ニュースにもあるように手を挙げてる買い手がいて、それを目安となる金額を含めて公開しても問題ないというレベルで交渉が進んでるっていうことに驚きを隠せません。

 

 

俺が社会に出たのは昭和から平成に変わったころで、いわゆるバブル期ですが仕事の仕方はまだネットやケータイはもちろん、個人で使えるPCが普及する前の時代です。

俺は最初からIT(と当時は言ってなかったけど)の技術者として基本的には客先、時々自社で仕事をするというスタイルでしたが、営業さんや管理職、事務のみなさんは当然自社に席があります。俺も現場に行けば席があって、中には外注で入っても個人用に専用の外線電話番号をあてがうような会社もありました。

そういうスタイルで仕事してると今流行しているテレワークというか在宅勤務なんて無理って思うかもしれないですがそうでもなくて、営業さんや管理職はホワイトボードに「行」「帰」がずらーっとならんでるような人もいました。

「直行」「直帰」の略ですね。

もちろん出先から電話で報告したりポケベル持たされたりはしてるけど、あんまり多い人は上の人から注意が与えられるみたいなのどかなこともありましたねぇ。

当時から席を減らそうと思えば減らせたんですよね。

 

今回のコロナの一件で、事務所の座席数が減らせることに気が付いた会社はかなり多いんじゃないかと思います。

今までは「管理上の理由」というもっともらしい文言で在宅勤務を認めてなかった会社も、実際やってみたら案外と回ってしまうことに気が付いて、計算するとオフィスの賃料より在宅手当出したり端末を配布したりVPN環境整えたりする方が安上がりってことになっちゃって、大きい会社なんかは何フロアか返しちゃうかみたいなことになってると思ってるんですよ。

そういう状況で都心のオフィスビルを購入する会社ってどういう会社なのか、すっごく興味があります。

 

逆張りっていう線もあります。

俺の職場は東京オリンピックにあわせてやたらとホテルが建ったんですが、こないだ最近建ったばっかりのホテルの入り口に貼り紙がしてあるのをみかけて「休業かぁ」と思って近づいたら「売ります」って書いてあって切なくなりました。

ところが、そんな中、さらにホテルを建てるという建築計画も貼りだされててびっくりしました。大手チェーンのうちAで始まるところですね。最近建てたばっかりで俺も使ったことがあるホテルが療養所になっていて、そこが建ったあと3件くらい至近距離に建てたばっかりなのにまだ建てるのかと。賭けに出てるなぁと思います。

同じ大手でもTで始まるところはオリンピックで浮かれてるさなかでも新しいホテルをバンバン建てるようなことはしてなくて、傍から見ると区別がつかないけど経営戦略はずいぶん違うんだなぁと思いましたね。

オフィスビル賃貸を商売にしてる会社の中にも逆張り戦略をとるところがあってもおかしくはないです。

少し心配してるのは、コロナみたいに環境が大きく変わると急成長するベンチャー企業って絶対出ると思うんですが、そういうところがその時点での身の丈に合わない都心のビルに無理をすれば入れるってことになって、そのあと急降下するっていうパターンもあるんじゃないかなぁってことです。

わりとね、多いって俺は感じてるんですよね。そういう会社。

俺の友だちがずいぶん前に始めた会社なんかは逆で、都心にオフィスを構えれば世間体もいいし人材も集まってくるだろうにあえて都心から離れた千葉にオフィスを置いてたりするんだよねぇ。千葉でも都心への交通の便がいいところなんで、賃料が全然割安らしくてね。そういう堅い商売をしているせいかずいぶんと長いこと続いてる会社になってますよ。中の人は常に大変みたいですが。

 

ちなみに、今の職場から俺の席は完全に消え去りました。出勤するときはあらかじめ予約表に記入して席を確保しろと。予約が埋まってたら用事があっても出社できないという……。それはそれで切ない。