なぜか定期的に映像化される「富豪刑事」

今回はアニメですかそうですか。

 

 

筒井康隆作品は映像化されづらいのが多くて、ロートレック荘のように映像化不能をうたうようなのもあるくらいですがこの作品もよく映像化されます。

1ページ当たりの稼いだ金額は世界一かもしれないと思っている「時をかける少女」よりは長いですが、富豪刑事も薄めの文庫本1冊でオリジナルは4エピソードだけ。

金を使いたくてたまらない人たちが推理とか面倒なことをしないで金で事件を解決するのになぜか読後感が爽快という非常に不思議な小説でした。

 

会社を作って偽の新商品を開発し犯人を罠にはめるというエピソードで、本物っぽく見せるために全部門にえりすぐりのスタッフを用意したら本当に画期的な新商品が開発されてしまい結果的に投資より儲けのほうが多くなって頭にきてどなりちらすっていう話は今でも鮮明に覚えています。

 

金を使うのが目的という設定なので登場人物の行動原理はシンプルなんだけどそれがいちいちずれてて、成功と失敗も逆転したりするところがおもしろかったです。

 

1話を見ましたが、ゲストキャラのダメ男が良かったですねぇ。普通の流れなら最後はひどい目に合うと思うんですがハッピーエンドで締めるところは原作の世界観を生かしているのかなと思いました。