生ビール190円でも儲かる理由は簡単にわかる

なんかそんな記事がネットに出てましたが何でわからないと思ったのかが一番不思議なところでした。記事へのコメントにもあったけど少なくとも中ジョッキの標準的な容量を知らないというのはいかんのじゃないかと思ってしまった。

長年自分で中ジョッキに注いでましたからね。何周すれば1リットルかってのは覚えておかないとね。

 

「客もプロ」っていう言い回しがネットにありますが、安い居酒屋という範囲でいうと俺が一緒に飲んでる人たちはかなりプロに近いかもしれないです。

有名店を飲み歩いているというわけじゃなくて居心地がいい店を見つけて通うというスタイルですが、やむを得ない事情で行きつけの店が閉店するという憂き目にもよく遭ってしまうわけでしてそういうタイミングでは落ち着ける店がないかいろいろな店で飲んで試すという行為が発生します。

安くて値段の割にはうまくて居心地よくて時間不定人数不定もちろんコースになんかはできなくても快く迎え入れてくれてなおかつわがままを聞いてくれる店。

そんな店ねぇよ!

いやね、あるもんなんです。意外と。

 

前に行きつけの店がなくなった後何度か行って、今でも行きつけの店が休むときはたまーに行く都心部で展開している酒が激安の居酒屋群があります。

店の名前は違うけど経営戦略的にはみんな一緒なんで経営は同じでないとむしろおかしい。

看板がない、入り口が入りづらい、高そう、だけど中は背もたれがない椅子が並ぶ赤提灯的居酒屋って感じの店です。

初めて行ったときは生ビールとハイボール120円でした。酒に弱い俺が300円もするウーロン茶を頼んだら「このブルジョワが!」と一喝されるような店です。

生ビールが本物なのかと言う疑問は当然わくと思いますが、黒ラベルの樽から出していたのでそこまで手をかけて偽造しているのならしょうがないし、俺も含めた仲間内ではこれは黒ラベルの味だということで納得してます。

完全に原価割れです。

しかも一見さんお断り臭をぷんぷん発してるなのにどうして儲かるのか。当然誰もがわかるでしょう。前に少し書いちゃったし。

安い酒以外の飲み物とつまみが高いんです。

我々といっても俺は戦力外通告を受けていますが、調子に乗ってつまみをほとんど頼まずにがんがん飲んで会計をしたらレシートで一番高く印字されたのがお通しだったという事件もありました。

ビールやハイボールをひたすら飲みたい人にはとてもいい店だと思います。

俺たちが行く曜日はがらがらだったし。

なのになんでそこに落ち着かなかったか。

一つはがらがらの土曜日は不定期営業になったからです。とにかく入りづらいところにあってそこの店の前に案内なしに到達するのは不可能だし到達しても何万も取られるんじゃないかっていう店構えなんで土曜日に空いてるその街だと客来ないんでしょうね。

そしてもう一つ、酒を安くしているからつまみが少々高いのはやむを得ない。しかし、あまりにも残念すぎた。値段より少し落ちるというレベルではなかった。別に美食家でもないメンバーが口に入れて「うーん」と考え込んでしまうレベルでした。

それでも一つ二つこれはっていうメニューがあればそれでよかったんですが。

黒ラベルの店なだけにとても残念。

逆に言うとそういう背景があるから土曜日に客が来なくなったんだろうなとも思います。

その後見つけて今通ってる店も、そのエリアでは異様に安くヱビスを出してくれるお店です。しかしそこはつまみが安くてそこそこうまい。よくこの値段でがんばってるなというか店長さんは安い店をやりたいらしくそういう値段でおいしいものを出すためにどうすればいいかを考えてるとのこと。そういうところが違うんでしょうね。

その店は初めて入ったときは店の雑務と厨房は新メニュー開発とかで客が来なくてもいいやって感じで営業していて、実際客は俺たちだけっていう期間もあったんですが、今じゃ土曜日厳しいそのエリアなのに満卓とまではいかなくても半分以上は埋まる時間帯がある店になってます。宴会が入ると満卓になることもありますね。通常はいつもの席にいつもの人が座っていつものように飲んでるという雰囲気の店です。

ラグビーワールドカップの時は普段は会話しない常連同士で語りながら飲んでみたり、でも翌週はすっかり通常に戻ったり。店長さんや厨房の人も出てきてお客さんと軽く飲みながら話し込んでたり。

結局居酒屋って居心地なんだよな。

その店の前に通ってた店は今思うと高かったんだけど居心地は抜群だったんでそこ以外にいく積極的な理由がどうにもこうにも見あたらなかったし、たまに満卓でほかの店に行くとがっかりしてましたからね。

ビールの値段付けもそうだけど、そういう雰囲気作りとか店の売りになるメニュー開発とか、居酒屋って簡単そうに見えて難しい業態なんだろうな。