キリン 富士山麓

すぐに酔っ払って気持ち悪くなる体質で酒を飲んで気持ちよくなって意識を失うとかいう話を密かにうらやましく思っていたりします。

量が飲めないのでいろいろな酒を試し飲みみたいなこともあまりできないし、もともとのバカ舌ってのもあり酒の中で味が違うなとはっきりわかって飲んでたのはビールくらいでした。

 

50近くになり「日本酒もなかなかうまいぞ」と思い始め、静岡清水に遠征飲み(一般的には理解しがたい行動かもしれない)をしたときに、会いに行ったお店の人から秘蔵の日本酒(地元では手に入るが東京では見かけないやつ)を出してもらったらやばいくらいうまくて、なるほどこういう酒があるのかと思っているうちにぶっつぶれるという経験をしてから日本酒の味が少しわかったのかもしれないなぁと思いました。

 

ウイスキーは酒に弱い俺には意外となじみ深い酒です。がばがば飲めないけど目の前に何もないと寂しいし注ぎ足されるとつらい思いをするので、職場の飲みとかではロックやストレートで注文してちびちびなめることがよくありました。

そのとき注文するのは「ウイスキー」です。銘柄とか関係ないです。作ってる人ごめんなさい。

まれにショットバーに行ってなんか飲むこともありますが判断基準は1にお値段2にお値段、34が無くて5にお値段ってこともあり、いろいろ飲んでもふーんって感じで印象に残った銘柄ってなかったんですよ。

 

それが、かれこれ5年くらい前になるかなぁ。いつもはビールで回していた当時行きつけだった店で、何の気なしにウイスキーを頼んでみたら……。

なんだこれ?俺の知ってるウイスキーとは全然違うんだけどなにこれ?香りも味もこんなの初めてなんですけど!っていう経験をしました。

メニューを見てその銘柄がキリン富士山麓であることを知りました。酒屋に行ってみると別に目の飛び出るような値段じゃなくて手頃な値段で売ってることも知りました。

 

その店がこだわっているわけじゃなくて、ビールがキリンのお店なんでウイスキーもキリンだっただけだと思います。店の客のほとんどはその店が売りにしてるビールか焼酎を飲んでるので注文される機会は少ないかと思います。

だからよけいにびっくりしたってのはあるんですよね。

おなじ「ウイスキー」という酒なのにこんなに違うんだ!と。

好きな人にとっては当たり前のことに初めて気づきました。

おそらくそれ以前にも富士山麓は舐めていたんだろうなと思います。そのときは別に何も気づかなかった。年のせいなのか体調なのかそんなの関係なくたまたまなのかわからないけどそのときようやくそれに気づけたってことなんだろうな。

 

そんな富士山麓、他の国産ウイスキー同様にハイボール人気の継続に伴うと思われる原酒不足に見舞われて一部商品が終売になってしまいます。

そういう話を聞くと今まではまったくこだわりがなかったので手に入れたくなるのが人間の性、さらに俺の場合は高い値段で苦労して手に入れたのでは意味がない、もともとの魅力の一つであったお手頃価格で手に入れたいと思うわけでして…。

都心の在庫してそうな店に何度か行きましたが売ってなくて…。

 

ところが近所のスーパーに行ったらなんか普通に売ってました。

なので買っちゃいました。

当分は保管してときどきちびちびなめようかな。

 

ネットで検索してみたけどリアル店舗では在庫さえしてれば全然安く売ってます。そういうもんなんですよね。