冤罪を生む社会

未解決だった耳目を引く事件の容疑者が逮捕されました。

逮捕されたというのは事実。ただね、それに乗っかって「やっぱり」とか「許されない」とかネットを含む公共の場で発言するという神経は俺にはわからないです。

ごくごく少数の、今だったら別の意味で怒られるけど飲み会で仲間内で話すんならともかくどうして多くの人の耳に入り目に留まるところでそういうことをいうのかなぁって。

そうやって「解決」ってことになった冤罪って過去にもあるし、冤罪だったことすらわからなかったのもあるだろうし、さらに言うと、そういうのに乗っかっちゃう人って過去にさまざまなところで重大な悲劇を引き起こした「××人が悪い」みたいな流れにも簡単に乗っかっちゃうんじゃないかなって不安になります。

人間、無意識のうちに「自分以外の」悪者を求めてるんですよね。いじめってどんなに規制とか厳罰化をしても無くならないじゃないですか。前にも書いたけどいじめてた方をみんなでいじめるみたいなブラックな状態になりますもんね。

事実は事実として言及したり報じたりすることには何の問題もない。今回の件で言えば逮捕されたというのはまぎれもない事実。実際に犯罪に手を染めていたのかっていうことは実はまだわかってない。逮捕する側としては社会がそういう空気になるとやりやすいことこの上ないとは思うんだけれど、たとえ自白をしたとしてもそれが社会的に追い詰められたことによる嘘の自白という可能性だって否定できないから実際にやったかはわからないんですよね。

それじゃ困るから裁判という仕組みでやったかどうかを社会的に決めるっていう事になっているんじゃないかと理解しています。

その裁判でも子供の頃に教わった「罪を憎んで人を憎まず」みたいな話もあるから、今の世の中って歪んでるなぁと思う今日この頃です。

「みんなが言ってる」ことほど鵜呑みにしない方がいいと俺は思ってます。